激減する貸金業
貸金業務取扱主任者資格試験には、今何かと話題になっている総量規制が出題されるようになっている。改正貸金業法は多重債務者の救済を図るために施行され、総量規制の他にもグレーゾーン金利の撤廃なども挙げられる。これらは世の中の貸金業界に激震を起こすこととなった。
金融庁の貸金業関係統計資料集によると、全国で営業する貸金業者が激減。平成20年4月末の財務局登録業者は574社だったが、平成22年9月末には373社に減少。都道府県登録業者数も8278社から2455社と、2年半というわずかな期間で4分の1にまで減少している。
この現状は改正貸金業法の影響が大きい。貸金業界を直撃した過払い金返還では、利用者に返還しきれなくなった業者が出現し、返還金の停止や大幅カットなどの事例が発生している。貸金業者のダメージは想像以上に深く、返還を訴える利用者にも大きな衝撃を与えた。
また、総量規制により借入が止まってしまった利用者が違法な闇金融に流れることを懸念する声も高まっている。実際にクレジットカードを利用した不正な現金化などといった法規制をかいくぐる取引が急増している。
改正法では貸金業務取扱主任者資格も改正されている。指導監督上の課題として、資格取得をより厳格化したことで、貸金業への安易な参入を許さないものとしているが、しかし、それでもなお改正法には大きな課題を残している。貸金業者の激減と借入の規制、そして新しい闇金融の参入、これらを対策する更なる法整備と迅速な対応が必要だろう。
【2011年12月2日】